発達障がい…ハンデを抱えた、能力の劣る人たちと思われがちですが、実は繊細な感覚を持ち合わせた人たちだったりするのです。
繊細な感覚を持っているので、その場の空気を読みすぎて、敏感に反応してしまい…とある子はその場を飛び出し、別の子はその場に固まって動けなくなり、また別の子は突拍子も無いことを口にしたり、それぞれの特性が表れます。
特性はあくまで個性の延長、本来ならば受け入れられるべきことなのですが…集団生活を送らなければいけない学校では、残念ながらこれらの特性が問題行動と捉えられてしまうこともあるのです。
これらの特性が強すぎて学校生活に支障が出始めると、発達外来の先生にお薬を勧められることもあります。特に、じっとしていられない子供たちに対して、彼らが落ち着いて授業を受けられるように、衝動を落ち着かせてくれるようなお薬が処方されるのです。最初は少量から、様子を見て必要ならば少しずつ量を増やしていくのだそうです。
でも、あくまで個人的な意見ですが、私はお薬を飲むことは良くないことだと思います。だって、お薬で衝動を抑えることは、その子らしさや、その子の持つ本来の反応を奪うことになるからです。
その場の雰囲気を感じ取ること自体は生きていくのに必要なスキルであり、反応が敏感すぎて困るのであれば、経験を重ねながら自分の特性と折り合いをつけていくのが本来の学びだと思うのですが…お薬を使えば本人は一旦楽になるかもしれませんが、本来経験で学ぶべきことをスルーしてしまうことになるので、結局は遠回りになってしまう気がするのです。
それでも、我が子が学校生活を楽に過ごせるように、少しでも心の負担を軽くしてあげたい、と思うのが親心かもしれませんし、学校の先生にとっても、学級という集団をまとめていく中で、特性の強い1人に多くの時間を割くことは難しいのかもしれません。
お医者さんと本人と相談の上で、お薬の力を借りること…今の学校制度の中で、集団生活を送らなければならないことを考えると…仕方ないのかもしれませんね。
お薬を使う判断をした場合は、よく調べて、リスクをきちんと理解して、本人の様子をよく見ながら、慎重に進めてほしいと思います。お医者さんの判断で、もしお薬を使わなくても大丈夫そうであれば、本人と相談の上で使用をやめた方がいいと思います。
とある親子の話ですが…お子さんがやはり学校で落ち着きがなく困っていて、医者にお薬を勧められたので、使ってみることにしたそうです。すると、落ち着いて授業が受けられるようになり、先生に怒られてばかりだったその子が褒められるようになり、学校で楽しく過ごせるようになったとのこと!よかったなー、と思っていました。
でも、お薬なので副作用もあります。その子は頭痛で苦しい日もあったそうです。ママが副作用について自分で調べてみると…やっぱりお薬は体に良くない!と判断したようで、本人の同意なく勝手に薬の服用をやめさせてしまったんだそうです。
確かにお薬は体には良くないかもしれませんが…その子にしてみれば、薬を飲んで楽になる気持ちを味わってしまったのに、また元の生活に戻らなければならない…我慢ができず、その場にいられず、先生に怒られる生活…きっと薬を飲む前よりも数倍苦しかったと思います。
我が子の意思を全く考えないこの母親、私は今もこのエピソードに怒りを覚えます。一番大事なのは、子供たち自身の気持ちであり、今自分はこう思う、こうしたい!という気持ちを尊重することです。この積み重ねが、やがて自分の軸となり、自分の力で生きていく強さにつながっていくのです。
子供は親の道具ではないのです。少なくとも子供が小さいうちは、母親は自分ファーストではなく、子供ファーストであるべき…ですよ!