樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

台風襲来に思う

お久しぶりの投稿です。9月9日未明、私が住んでいる千葉県南房総地区に大型の台風15号が襲いかかりました。

その日の夜は、本当に恐ろしい夜でした。我が家は雨戸が1箇所壊れていて、その窓が軋んで壊れてしまう恐れがあったので、嵐の中旦那さんと2人、窓が壊れないように必死に一晩中窓枠を押さえ続けました。押さえる手を通して直に伝わる台風の猛威、思い出すのも恐ろしいです。それでも必死の抵抗の甲斐あってか?我が家は多少壁や雨戸にダメージを受けた程度で済みました。

 

一夜明けて外に出てみると…目を疑う光景が広がっていました。まわりの家は瓦が飛び、屋根が飛び、家の前の道路は瓦やら雨どいやら草木やらビニールやら、わけのわからない残骸だらけ。とりあえず車が通れるように、道路に散乱しているものをどけました。

我が家は奇跡的に停電、断水はなかったのですが、数軒先の家から隣の地区まで停電しているとのこと。この時はまさか、この停電が1週間以上続くとは夢にも思いませんでした。

 

我が家は大丈夫であっても、市内ほぼ停電中。学校も、お店も、全てお休み。子供たちを預けるところもなく、仕事に行くこともできない。でも、通信回路が遮断されていて、電話もメールも通じない…もうどうしようもありません。

お店も停電の関係で営業できず、物資が不足し始めます。食べ物、飲み物、生活用品、ガソリン…数少ない営業中のガソリンスタンドやお店にできる行列。生きるためには仕方ないです。

 

このまま物資不足に突入するかと思われましたが、停電が解消し始めたことと物流ルートの確保により、ほどなくコンビニが営業を再開し、徐々に他のお店も開き始めました。電気も水道もある我が家は、とりあえずは大丈夫。

そうなると、やっとまわりのことを考えられるようになります。すぐ近くに住んでいる実の両親のところへ行ったら、とりあえず家自体は大丈夫。停電ながらも発電機や太陽光システムを駆使してたくましく生活していました。冷たい飲み物を持って行ったら喜んでくれました。よかった。

次に、施設に入っているおばあちゃんの様子を見に行ったら、停電中なので面会はできませんでしたが、発電機を使って最低限の食事と扇風機を回しながら何とかやっています、とのこと。おばあちゃんも元気なよう。いつも本当によく面倒を見ていただいて、本当にありがたいです。

あとは、車で30分くらいのところに住んでいる、一人暮らしのおばちゃん。行ってみたら、こちらも家自体は大丈夫でしたが、停電している中で不安そうにしていました。とりあえず我が家に呼び、落ち着くまで一緒にいることにしました。おばちゃん、うちに着いて、冷房の効いた部屋の中で、やっとホッとできたようです。よかった。

 

とりあえず、身内の心配な人たちは大丈夫。でも、まわりはまだまだ困っている人であふれている。そんな中で、電気も水道もある我が家は、何ともなく生活できている。

まわりの人たちを何とかしてあげたい。でも、内向的な私は普段からあまりまわりの人と濃い人間関係を築いていないのもあり、どうしたらいいのかわからない。何もできない。その思いが、だんだん自分を苦しめてしまい、自分の無力さを痛感しながら過ごしていました。そう、私は動けない、何もできない人間なんだと。

こんな時にこんなことを感じていること自体おかしいのかもしれないけれど、やっと繋がり始めたネットなどで知る、予想以上に苦しい生活をしているみんな。そんな中で助け合っているみんな。私はとても、その中に入っていくことはできなかった。自分の思い込みなのはわかっていても、自分の無力さに押しつぶされそうだった。

 

私はやっぱり、みんなとはどこか違う。ズレている。仲間なんていない。何となくそんな気はしていたけど、こういう時にはっきりとわかります。仲間に入っていけない自分が悪いのだけど、災害時特有の渦巻くいろんなエネルギーに押しつぶされそうになり、ふがいない自分に絶望しかけていました。

そんな時、遠方に住んでいる知り合いから立て続けに連絡をもらいました。テレビで報じられている様子を見て、心配してくれていたようです。とりあえずうちは大丈夫、でもまだまだまわりは大変だと伝えたら、みんな心を痛めながらも、私の無事を喜んでくれました。

すると、地元でも行った先々で知り合いに立て続けに会いました。みんな停電を経験したり、未だに停電中だったりで大変な中、支援学校の幼稚部に行っていた頃のママ仲間と久しぶりにバカな話もできました。心の底から笑いました。本当に心の底から笑ったのって、どのくらいぶりだろうか…本当にありがとうって思いました。

 

被災していると、日々が本当にしんどいです。実際に今も電気が通らない人たちのことを考えると、本当に心苦しい。先日の大雨で、さらにダメージを受けた人もたくさんいると思います。

それでも…助け合う中で得る、人のありがたさ。聞いた話では、停電の不安な夜にみんなで外へ出て過ごしたりもしていたそう。

うちは停電自体は大丈夫だったし、生活もあまり困ることはなかったし、子供たちもあまり変わらず過ごせていたけれど、今回気づいたこと…私は地元では、子供たちが発達障がいを抱えているのもあって、常に気を遣いながら生活していたってこと。それが原因なのか、地元には仲間というものが作れていなかったこと。

ありのままの自分でいられること。気を遣わずにいられること。何でもないことかもしれないけれど、私にとってはけっこう難しいことなんだと、改めて気づきました。こんな時ではありますが。

 

未だに電気が通らない人たち、家が大変なことになっている人たち、商売ができなくなってしまった人たち…もと通りの生活には、なかなか戻れないかもしれませんが、地元が少しでも元気になることを願います。

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かなりの長文、重い内容、お読みいただきありがとうございました。