樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

発達障がいと向き合う・その2

私には小5の娘と小2の息子がいますが、2人とも発達障がい、具体的には自閉症スペクトラムという診断を受けています。主な特性はこだわりの強さやコミュニケーションの取りづらさで、知的発達も一般の子に比べると遅れ気味です。

我が子が発達障がい、しかも自閉症と聞いた時は、目の前が真っ暗になりました。それでも様々な療育施設に通い、先生方やお友達との関わりを重ねていくことで、少しずつこだわりが外れて、言葉も出るようになり、人とのコミュニケーションも取れるようになってきました。

 

下の息子が小学校へ上がる時のこと。発達検査に引っかかってしまった子供たちは、どの学校へ行くのか?の選択を迫られます。具体的には、地元の小学校に行くのか?地元の小学校でも支援学級に入るのか?それとも特別支援学校に通うのか?の3択です。

うちの息子に下された判定は、特別支援学校でした。しかし、私の中で息子は地元の学校でもやっていけるのではないか?という思いがありました。教育委員会や小学校と話し合いを重ね、最終的には地元の学校の支援学級でお世話になることに決まりました。今は彼のペースに合わせてもらいながら、勉強に学校行事に、彼なりに充実した学校生活を送っていると思います。

 

そして、同級生の中でも何人か、発達検査に引っかかった子たちがいます。彼らの場合はうちの子とは違って、小学校の支援学級という判定でした。しかしうちの場合と同じように、判定された支援学級ではなく、全員が普通学級で学ぶことを選択しました。

私から見ても、彼らはうちの子とは違って、基本的に仲間同士で遊ぶことができます。同級生の輪の中で、一緒に育っていくことができる子たち…それなら普通学級で仲間たちとともに学んだ方がいいのではないか…と私も感じていました。(うちの子は、基本はひとり遊びを好みます。仲間に入ろうとはしません。)

 

そして、小学校選びで迷っていた時に、彼らのママたちがやっていたことや感じていたこと…

学童を利用するか?放課後デイサービスを利用するか?を迷っていて、放課後デイの見学に行ってみたら…あまりにゴチャゴチャしていて、その場にいる子たちの雰囲気に馴染めずに引いてしまったこと。

支援学級を勧められたものの、できれば支援学級には行きたくなくて、普通で行ける限りは普通学級に通わせたいと思っていたこと。

…いや、言っていることはわかるんです。そりゃ、できれば我が子は「普通のまま」がいいですよね。

でも…じゃあ、特別支援学校を勧められて、支援学級へ行くことになったうちの息子は、普通じゃないってこと?おかしいのかな?

放課後デイにいる子たち、うちの息子の療育友達だったりもするのだけど…そんなに引くほどおかしいことをしていたのかな?

そもそも「普通」って何?

つまり…みんなはうちの息子に対しても、ある意味偏見を持っているってことだよね?

 

私たち親子は、ずっと地元のこども園、小学校に通っています。規模が小さいので、ほぼ同じメンバーで成長してきています。

その中で、実は密かに感じ続けてきたこと…私たち親子は、はっきり言って仲間ではないのです。

みなさん基本的には親切で優しいし、私たち親子にも話しかけてはくれます。でも、うちの息子は根本的にみんなとは違うし、その親である私も同じ。今まで何とかやり過ごしてはきたけれど、学年が上がってくるにつれて、うちの子と他のみんなとの違いがさらに顕著になってきました。

学年が上がるにつれて、習い事や勉強のこと、子によっては絵や習字などで表彰されることもあります。比較的教育熱心なママたち、どんどん上を目指していく同級生たちの中で、日々マイペースで頑張る息子との温度差は増すばかり…他のママたちと私とでは、見ている世界が全然違うのです。

 

…もう自分の気持ちに嘘はつけません。小学校では、はっきり言って仲間はいません。息子も、私自身も。今までは何とか仲間に入ろうとしていましたが、みんなとは根本が違うから、そもそも話が合うわけがないのです。私はずっと、無理してまわりに合わせてきたことに気づいてしまったのです。

…だからといって、特別支援学校に行ってしまうと、カリキュラムそのものがガラリと変わってしまいます。今のところ学校生活や勉強にはついていけているので、このまま支援学級でしばらくは頑張ることになる…のかな。

 

まぁ仲間ではないと言っても、同級生であることには変わりません。みなさん基本的には仲良くしてくれます。

でも…ただ、それだけのこと。

息子にとっても私にとっても、やっぱり発達障がいのコミュニティの方が仲間という感じがします。療育先に行けば、控え目な息子でも一緒に遊べる友達はいます。

もう自分に嘘をつくのはやめます。無理をするのもやめます。

発達障がいに偏見を持っている人たちや、逆に中途半端にわかったつもりで接してくる人たちとは、境界線を引こうと思います。

もしかしたら、息子が仲間に入ろうとしない理由…息子はすでに、彼の中でみんなと境界線を引いているのかもしれませんね。

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