樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

「美談」に騙されるな!

とある知り合いの話。彼女は以前ひどい鬱を患っていて、自殺未遂を起こしたこともあります。結婚して子供にも恵まれましたが、結局離婚して、子供も手放してしまいました。

その後、彼女の躁鬱に寄り添ってくれるパートナーとの出会いがあって、彼女はその人と再婚します。彼が根気よく彼女に付き合い、彼女の抱える躁鬱を理解して、彼女は再び子宝に恵まれます。そして今、彼女は家族3人で仲良く暮らしながら、彼女を鬱から救ってくれたアロマをまわりの人に広める活動をしています。

そんな中で、かつて離婚して置いてきた息子と、その奥さんと、2人の間に生まれたお孫さんが、彼女のもとを訪れたのだそうです。そして、一緒にお孫さんにアロママッサージをしてあげたのだそうです。かつて鬱を患っていた姿からは想像できないけれど、今の彼女はとっても幸せそうなのよ…という話を聞きました。

 

こう聞くと、この話は美談、ですよね。辛かった過去を乗り越えて、今は幸せな彼女がいること。…でも実際に今の彼女を見ていると、やっぱり今もなお躁鬱と戦っている、壮絶な姿が浮かび上がってくるのです。

躁状態の彼女は、とにかく風呂敷を広げてしまいます。アロマ教室に加えて、彼女は自分と同じような精神疾患を抱える女性のためのグループホームの経営もしているのです。

でも、一旦鬱に入ってしまうと、何もできなくなってしまうのだそう…そんな状態でも、グループホームの経営は毎日のことです。当然、パートナーである旦那さんや、まわりの人たちの協力なしでは成り立ちません。

さらに、せっかく授かった子供にも、寂しい思いをさせているのでしょうか…その子がとっても不安定な時があります。心配して声をかけても、彼女は誤魔化してしまって、その子と向き合う姿勢をあまり感じません。

結局…彼女は今も、以前とあまり変わっていないのです。今も躁鬱と戦っているのです。

 

それなら私は、彼女のエピソードを美談には仕立てずに、ありのままを伝えてくれればいいのに、と思います。アロマ教室の宣伝文句にするために、仕立てられた「美談」…彼女は仕立てられた虚像と、現実の彼女自身とのギャップに苦しむことはないのでしょうか。

子供とのこともそうですが…誤魔化しているうちは、自分と向き合いきれていないわけで。これを続けていても、彼女の抱える躁鬱は改善しないのでは、と思います。自分と向き合うことをしないでアロマの力を借りていたって、それは対処療法に過ぎません。症状を和らげる風邪薬のようなものです。根本から治療するには、辛くとも自分自身と徹底的に向き合うこと。そこから逃げていては、いつまでも足踏み状態から抜け出せないと思います。

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ちなみに、彼女が携わっているアロマの会社…確かに品質は良いですし、使えば効果はあると思います。でも、基本的には会員制であり、ひとたび登録すると、ひと月1万円近くの金額を使い続けなければいけないシステムになっています。それが事実。

ひとりひとりが、ひと月1万円をアロマに使うのか?それとも違う使い方をするのか?その判断は各自に委ねられていますが、「美談」に惑わされずに「事実」に基づいて判断すれば、どちらを選ぶにしても後悔はないと思いますし、自分が納得のいくお金の使い方をできると思います。

くれぐれも「美談」には騙されないでくださいね。そこにあるのは「事実」のみ、ですよ。でも、その事実をどう捉えるのか?は、ひとりひとりの自由意志だと思います。

 

追記:新型コロナウイルスに関しても、うわさ話や垂れ流される情報に惑わされずに、ただ「事実」に基づいて判断すれば、適切な判断・行動ができると思います。

何が事実なのか?を、自分でしっかりと見極めることが大切だと思います。