樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

ゲルニカ 〜 グレゴリオ

 

真っ白と黒のゲルニカに  たくさん色を塗れたら  目の前に

真っ白と黒のゲルニカに  たくさん色を見たいから

 

あの人は今  捨てられた犬を焼いてる

誰であれ独裁者になれる  その片隅で

 

真っ白と黒のゲルニカに  たくさん色を塗れたら  目の前に

真っ白と黒のゲルニカに  たくさん色を見たいから

 

新世紀だろうがさ  根本は何も変わりゃしない

見てみなよ独裁者が叫ぶ  革命はエゴさ

 

真っ白と黒のゲルニカに  たくさん色を塗れたら  目の前に

真っ白と黒のゲルニカに  たくさん色を見たいから

 

目逸らさずに見てほしい  本当にあることから  目の前に

何枚ゲルニカのレプリカを  描いては焼いたのさ?

 

死んだふり…ふり…(なら、死ねよ)

ゲルニカ中村一義

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この目に  その目に

この手や  その手に

そうだ  すべてはある

グレゴリオ中村一義

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私が敬愛するアーティスト、中村一義さんの世界を紹介するシリーズ。

今回は、どっぷりと深い闇の歌、ゲルニカです。

 

ゲルニカ…もともとはピカソの絵画のひとつです。ヒトラーの独裁により迫害され、大量に虐殺されたスペインのゲルニカ村の人たち。怒りを覚えたピカソは、ゲルニカというタイトルの白黒の絵を描いたのです。

中村一義さんのゲルニカも、絶望感漂う曲調と、衝撃的な歌詞。いつの時代も変わらない、一部の独裁者に牛耳られている社会。今回の新型コロナウイルスの対応でも、一部の首脳による独裁によって、人々の生活に、もっと言うと命にまで影響が出てしまっています。

でも昔と違うのは、ネット社会によって民意が反映されやすくなっていること。ひとりひとりが声を上げることに対して、以前よりもかなりハードルが低くなっていると思います。

 

この「ゲルニカ」が含まれている中村さんのアルバム「ERA」…ゲルニカのすぐ後に、1分足らずの短い歌「グレゴリオ」が収録されています。短いながらも、中村さんの魂の叫びを聴くことができます。

私はこのグレゴリオゲルニカの直後に来ることで、独裁者による絶望の日々であっても、全てはこの目の中に、この手の中にある…そんな風に前向きに思うこともできます。そういう意味では、グレゴリオゲルニカに対するアンサーソングだと思います。

この世界は、ひとりひとりの目の前に広がっているし、この世界は、ひとりひとりの持つこの手の中にある。そのことに気づくだけで、この世界は見違える…私はこのグレゴリオで、そのことに気づきました。

中村一義さんの数ある歌の中で、実はこの短いグレゴリオという歌がいちばんのお気に入りだったりするのです。

 

何十年も前に世に出たこの「ERA」というアルバム、本当に名盤です。今までここに紹介した「君ノ声」「ゲルニカ」「グレゴリオ」「威風堂々」「虹の戦士」が収録されています。他にも名曲揃いです。今のような混沌の時代に聴くと、本当に心に響きわたります。

中村一義さんの世界、クセが強いので好き嫌いがはっきり分かれると思いますが、よければ探してみてください。もしどっぷりとハマってしまっても、責任は持ちませんよ…。