樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

憶測、というお節介

俳優の三浦春馬さんが急逝、しかも自殺との衝撃的なニュースが飛び込んできた。テレビやネットでは様々な憶測が飛び交い、いろいろな方が追悼のコメントをされている。

多くの方に惜しまれ、この人は本当にいい人だったのだと思う。いい人すぎて、周りに迷惑をかけまいと、1人でいろいろなことを抱え込んでしまったのかもしれない。でも、彼が亡くなってしまったという事実は覆らない。彼は死んでしまったのだ。

 

彼が亡くなってしまった以上は、その本当の理由は調べようがない。彼の人生や彼の本当の思いは、彼自身にしかわからないのだから。

いい俳優さんだったのに…とか、才能があったのにもったいない…とか、周りの人は思うかもしれないが、彼は死にたいほどの何かを抱えていたのだ。

死んでしまう前に、気づく人がいたらよかったのだけれど…今それを言っても仕方ない。時間がかかっても、彼の死を受け止めるしかないのだ。

 

この話を聞いて、私は飯島愛さんを思い出した。彼女も三浦さん同様、みんなに愛される本当にいい人だった。そんな彼女もまた、早くして亡くなってしまったひとりで…彼女の場合は自殺ではなく、孤独死であったと思う。

彼女が芸能界を引退する時に、芸能界の人たちはみな反対していた。霊能者の木村籐子さんも、引退を撤回するように熱心に説得していた。でも、彼女は一度決めた引退を覆すことはなかった。

引退後も、彼女が本来やりたかった事業展開をしているニュースなどが報じられていたが、残念ながら彼女も早すぎる死を迎えてしまった。

周りの人から見れば、やはりあの時に引退を撤回していたら、違う人生が待っていたかもしれない、と思うだろう。でも、彼女が決めたこと、彼女が決めた人生には、誰も口出しはできないのだ。

 

人生は、どんな人生であっても、その人だけのもの。

周りから見てどう映ろうが、それがその人の決めた人生。たとえ自殺という選択をしたとしても。

 

ただ…自殺をしたあとに残された人の思いとか、影響とかは…計り知れない。

私の身近にも、自殺をした女性がいる。その方は特殊な境遇で…一旦は普通に結婚して2人の子供が生まれたものの、その後離婚し、運命的に出会った同性のパートナーと子供たちと暮らすことになって…その矢先に、突然自宅で自殺してしまったのだ。

残されたパートナーの女性は、彼女が自殺した家に今もそのまま暮らしている。2人の子供たちも引き取って育てている。

普通に考えれば、ありえない選択だと思うが…パートナーの女性と子供たちと、時には子供たちのパパも一緒になって、日々の生活を営んでいる。

今の暮らしに至るまで、いろいろな思いとか、葛藤とか、選択とかがあっただろうが…多くのことを乗り越えて、今を生きている彼女たち。私は素直に、素敵な家族だと思っている。

 

人生にはいろいろなことがある。自殺という行為は、本来ならば決してしてはいけない行為だとは思うが…そこに至るまでの思い、葛藤、その他もろもろは本人にしかわからないこと。そこをあれこれ詮索し、憶測で判断するのは大きなお節介だと思う。

今は三浦さんのご冥福を祈りつつ、彼が残してくれた作品に思いを馳せつつも…今後このような悲しい思いをしないように、自殺は決してしてはアカンよ!と伝えていかなければいけないと思っている。

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