私たちの住む地域には由緒ある神社があって、毎年この時期は夏祭りで賑わいます。子供神輿や大神輿が繰り出し、地域の人たちは神輿の担ぎ手のために料理やお菓子、飲み物にお酒なども準備します。神社の境内には屋台も出ます。
また、それぞれの家で提灯が出されて、神社への参道には大きい提灯もかけられます。神社で行われる祭典では、笛や太鼓の音に合わせて女の子たちが舞を踊ります。
私が生まれ育った場所には大きいお祭りなどなかったので、嫁いできた当初はこの賑やかなお祭りに興奮したものです。ところが今年は、新型コロナの感染拡大予防のため、お祭り自体が中止となってしまいました。長らくこの地域に住むおじいちゃんに聞いてみたら、こんなことは戦争時以来だそうです。
本来ならば、昨夜は祭りで賑わっていたはず…今年は帰省してくる人もなく、静かな夜でした。でもおじいちゃんが、せっかくのお祭りだからこれで何か買ってきなさい!と、お金を出してくれました。そのお金でお寿司と、お酒と、おつまみとを買い、自分でも少しおつまみを作って、気分だけでも…と、大人はお酒、子供も好きな飲み物で乾杯!しました。
お酒を飲んで、好きなものをつまんで、ちょっとだけ陽気になって、みんなでテレビを見て…それはそれで楽しい夜でした。本当は花火もやろうと思っていましたが、大人は軒並み酔っ払い、子供たちも乗り気ではなかったので、またの機会にしました。
いつもとは違う祭りの夜。地域の人たちは、それぞれどんな風に過ごしたのでしょうか。
我が家でも、もしかしたらおじいちゃんやパパは寂しく感じていたかもしれません。
でも私自身は、いつもは飲まないお酒を飲んで、ちょっとだけ高級なお寿司を食べて、みんなで過ごした時間が楽しかったので…今年のお祭りとしては、これでよかったのかな?と思っています。