樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

ダメなことより、できることに目を向ける

発達障がいを抱えている、うちの娘。幼い時は何をするにもパニックになり、動けなくなり、何もできない子だった。それでも、親子で一生懸命療育施設に通い、刺激を与え続けたことで、劇的に発達段階が上がった。今もこだわりの強さや頑固さは残っているものの、だいぶ打たれ強くなった。

 

そんな娘、今は地元の小学校の支援級に通う小学6年生である。最高学年として、与えられる役割も多い。

今の娘は、昔の彼女からは考えられないくらいに積極的で、何でもチャレンジをするようになった。でも…例えば係を決める場面で、同級生の子たちに負けてしまって、自分の希望する係になれないことが多いのだ。

それだけではない。地元の子たちと通っている書道教室でも、本人は一生懸命やっていても、同級生よりもどうしても成績が劣ってしまう。もっと上へ行きたくても、どうしても集中力が続かず、他の子たちより一歩も二歩も遅れてしまうのだ。

本人は一生懸命やって、他の子に勝ちたい。でも勝てない。結果が伴わないことで精神的にぐったりと疲れてしまい、何をするにもボーッとしてしまう…という悪循環を繰り返している。いわゆる「劣等生」として、それでも何とかして結果を残そうと、本人なりに必死にあがいているのだ。

 

でも、そんな彼女もひとつだけ、他の子たちとは違う強みを持っている。それは、療育の一環として通い続けているホースセラピー。発達に何らかの遅れがある子ならば、行政が費用を大幅に負担してくれるので、住んでいる地区によっては、ほぼお金がかからずに馬に乗ることができるのだ。

うちの娘は通い始めて、もう2年を過ぎている。基本的には「療育」として、馬との触れ合いを楽しむセラピーなのだが、その子の上達度に応じて先生も「乗馬」として、一段レベルを上げた指導をして下さる場合もある。うちの娘はすでに乗馬の指導を受けていて、もうひとりで馬を乗りこなすレベルに達している。普段は猫背気味で自信なさそうな娘が、ひとたび馬に乗ると、実にカッコよく乗りこなすのだ。

 

他の子たちもきっと、今の娘と同じように牧場に通えば、娘よりも早く上達するとは思う。でもホースセラピーは、発達が遅れた子たちが安い費用で通うことのできる、いわば特権のようなものなのだ。

真面目に通い続けていれば、先生も一生懸命指導をしてくれる。娘のパニクりやすい特性も理解しつつ、時に厳しく、時には冗談を交えながら、上を目指して毎回真剣勝負の指導をして下さっている。

親の私に対しても、必要なことならばズバッと忠告をして、ハッパをかけてくることもある。それも全て、娘の乗馬能力の上達と、発達段階の向上のためなのだ。

 

娘自身はまだ、そこまでの思い入れはないのかもしれないが…私は馬に乗っている彼女のことを、本当にカッコいいと思っている。このまま通い続ければ、もっと上達するだろうし、できることもさらに増えていくと思う。

娘よ…あなたは本当にカッコいい。カッコよく馬を乗りこなす自分に、もっと自信を持っていいんだよ!

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