私が子供だった1980年代は、昭和特有の独特な文化がありました。当時のテレビ番組やCMも、今見るとちょっと変だったりしますよね。
そんな中で、衣料品メーカーであるレナウンという会社のCMが、子供の私にはあまりにシュールで…怖くて怖くてたまらなかった記憶があります。
レナウンのCMが流れていたのは、日曜夜9時からの日曜洋画劇場。父親が映画好きだったので、よくチャンネルを合わせていました。私はこの時間には布団に入っていましたが、CMの音の気配にビクビクしていた記憶があります。
レナウンのCMといえば、有名なのは「レナウン娘」ですよね。あとは紳士服のダーバンだったり、ブルーハーツの曲を使用したIN・EXPRESSだったり、若かりし頃の観月ありささんがキャラクターを務めていたスコレーだったり。どのCMもスタイリッシュで、ちょっと毒があって…大人になった今、YouTubeなどで久しぶりに見てみたら、どのCMもめちゃくちゃカッコいいんです!
子供の頃は怖くて怖くてたまらなかったのですが、実はクセになる魅力が詰まっていたんですね。
そんなレナウンですが、1990年代後半には日曜洋画劇場のスポンサーから撤退してしまいました。その頃にはレナウン恐怖症が落ち着き、ちょっとだけクセになり始めていたので…もうレナウンのCMが見られないことを、残念に思っていました。
さらにレナウンは会社経営の危機に陥り、一旦は中国のアパレル企業の傘下に入るのですが、それでも経営自体を根本からは立て直せず…とうとう倒産してしまったと、今日のネットニュースで知りました。
ネットニュースに寄せられた皆さんのコメントを見ると、やはりスタイリッシュなCMについて書いている人や、レナウンのお洋服の思い出を語る人、アパレル業界の方の驚きの声など、やはり多くの方に影響を与えていたんですね。
ファストファッションという、安くて可愛いお洋服が主流になっている今、レナウンのような老舗のアパレルメーカーが生き残るのは大変だったと思います。レナウンという会社の倒産に、ひとつの時代の終わりを感じる方も多いようですね。
新型コロナをきっかけにして、いろいろなことが変化している今、レナウンのように倒産してしまう会社がまだまだ出てくる可能性もあります。
時代が激しく動いていく中で、どんなものが残っていき、どんなものが無くなっていくのか?
果たして私たちの前に、どんな未来が待っているのか?
今は全く想像すらつきませんが、どうせなら前向きに変化を楽しんでいきたい!と思います。