発達障がいを抱える娘は、頑張りすぎる人だ。
与えられた課題は全てやらなきゃ気が済まない。
ちょっとくらい…ってごまかすなんて、とんでもない。
頑張りすぎているから、ものすごく疲れる。
疲れた分だけ、現実逃避をしてしまう。
現実逃避をするから、ギリギリまで課題をやらない。
結局課題を溜め込み、土壇場になって焦って一気に片付けようとする。
冬休みの課題で出されていたマラソンの課題。
始業式前日、残りはあと15kmほど。
ちょっとくらい、距離をごまかしてもバレないよ…
でも、結局娘はきっちり15km走り切った。
その日の夜、娘は激しい筋肉痛に襲われて苦しんでいた。
翌朝お腹も痛くなってしまい、なかなかトイレから出てこない。
…だからさ、無理しなきゃよかったのに。
結局娘は、遅刻をして学校へと向かった。
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発達障がいを抱える息子は、頑張りすぎない人だ。
必要なことだけを、要領よくこなしている。
たまにはズルをすることもある。
そんな息子は、人を選ぶ。
自分のことをわかってくれる人には、すぐに心を開く。
でも、そうではない人とは距離を置く。
だから、ものすごく世界が狭い。
たぶん息子にとっての最大の理解者は、母親である私。
こだわりの強さからくる息子の困りごとは、ひとつひとつ解決してきた。
でも、そんな息子は私に依存気味である。
そんな息子に振り回されすぎると、私はキャパオーバーを起こす。
先日、久しぶりにキャパオーバー状態になった。
普段ならできることが、何もできなくなった。
息子にそのことを伝えたら、いつもよりは自分のことを自分でやろうとしてくれた。
普段は頑張らない息子が、ちょっとだけ頑張ってくれた。
その日の夜。
普段より頑張った息子は、寝るときに私と手を繋ぎたいと言ってきた。
私と手を繋ぎ、安心して眠りにつく息子。
そんな息子を見ていたら、赤ちゃんと添い寝をしている時のような、何ともいえない気持ちになった。
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我が家の頑張りすぎる人と、頑張りすぎない人。
どちらも不器用だけれど、一生懸命毎日を生きている。
そして私は、そんな2人を見守る人。
私も一生懸命、そんな愛おしい毎日を生きている。