樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

日本人としての感性

季節が移りゆく景色は、日本人としての感性を大いに刺激してくれる。

春先には菜の花や梅が咲き、やがて桜が満開に咲き誇り…5月になると藤の花が咲き始め…梅雨入りすると紫陽花がしっとりと咲き…梅雨が明けて夏の暑さを感じ始めると、向日葵や朝顔百日紅が咲き…秋になると山の緑が一気に紅葉して…やがて寒い冬を迎える。

その季節ごとに、私たちの感情は揺さぶられる。桜が散りゆく姿を見ると儚さを感じられるし、秋から冬にかけては人恋しさや切なさが増してくる。でも、今年は何だか…暑いのか寒いのか、よくわからないままに11月になってしまった気がする。風流に季節を感じる…なんて気分には、とてもなれないでいる。ちょっとばかり残念に思う。

 

もうひとつ、日本人としての感性を刺激してくれるもの…それは、音楽。

大好きなEテレの「にほんごであそぼ」という番組内で、ものすごく感性を揺さぶられる音楽に出会うことがある。

クラシック音楽の「ボレロ」に合わせて、狂言師野村萬斎さん、歌舞伎役者の中村勘九郎さん、人形浄瑠璃使いの桐竹勘十郎さんが揃い踏みで舞を踊る姿は、見ていて鳥肌が立った。狂言師としての、歌舞伎役者としての、人形浄瑠璃使いとしての…それぞれのプライドが、画面上でヒリヒリとぶつかり合っていた。なんて贅沢な子供番組だろうと思った。

一方で「私と小鳥と鈴と」という曲を、尺八奏者の藤原道山さんが琴や尺八を盛り込んだ和風のアレンジをしていて、何とも艶やかで雅な曲に生まれ変わっていた。その曲に合わせて出演者の子供たちが歌い踊る姿は、見ていてとても幸せな気持ちになれた。

 

日本人としての、豊かな感性。この土地に生まれて、日々を過ごしている中で育まれてきたもの。

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季節を感じる機会は減ってしまったかもしれないけれど…日本人として、これからも誇りを持って生きていきたいと、密かに思っているのです。