前回の記事で、昔大好きだったUNICORNというバンドについて触れました。一度は解散してしまいましたが、再結成をして今も精力的に活動されています。
メンバーひとりひとりがとっても魅力があるのですが、やはり有名なのはボーカルの奥田民生さんだと思います。バンドを解散していた時期にはソロ活動をされていて「さすらい」「イージュー・ライダー」などのヒット曲もあります。
奥田民生さんは、脱力の天才だと思います。いい塩梅で力が抜けた、ステキな大人なのです。民生さんが書いた歌詞、比較的有名な曲の歌詞から、ユルさが印象的なものをいくつか載せてみます。
休みが必要だ テレビがそう言ってる
コーヒーで一息いれろと言ってる なるほど
(コーヒー/奥田民生)
少しくらい 脱ヘルシー 人間だもの
まじめばかりでもつまらないもの
(たばこのみ/奥田民生)
日がまた昇る また日が暮れる
とぼけてる顔で実は がんばっている
雨降りでも気にしない 遅れてても気にしない
笑われても気にしない 知らなくても気にしない
(マシマロ/奥田民生)
充分休んでから行こう いちいち道草して行こう
残りの福をみなもらおう イェー
(愛のために/奥田民生)
…ね、ユルーい、ですよね。でも何か心に引っかかるんです。
そんな民生さん、たまには本気でメッセージを込めた歌詞も書かれます。(ユルい歌詞を否定しているわけではないですよ!)
例えば、こんな感じです。
ほうら君の手は この地球の宝物だ
まだ誰もとどかない明日へ
ほうら目の前は 透明の広い海だ
その腕とその足で戦え
ほうら目の前は 紺碧の青い空だ
翼などないけれど進め
そうだあこがれや 欲望や 言いのがれや
恋人や 友達や 別れや
台風や 裏切りや 唇や できごころや
ワイセツや ぼろもうけの罠や
(息子/奥田民生)
…民生さん、この歌詞をまだ30歳そこそこの時、まだ結婚もせず、子供もいない時に書いているんです。自分の息子の未来を思い、憂い、希望も絶望もひっくるめた何とも言えない親心が、ひしひしと感じられます。
脱力、ユルさというオプラートにくるんだ中には、密かに熱い思いが込められているんです。
民生さん、今は見た目アフロおじさんになってしまいましたが…それでも、いくつになってもカッコいい!のです。