お笑い好きの私。毎年楽しみにしているM1グランプリが、今年も開催されました。
M1の最大の魅力は、一夜にして芸人さんたちの人生がひっくり返る可能性もあること。過去最高の大会と言われた昨年度、コーンフレーク漫才で爆笑をかっさらい見事チャンピオンになったミルクボーイは、それまで全く無名だったのが…一夜にしてスター街道を歩み始めました。同様に昨年3位に食い込んだぺこぱも、人を傷つけないツッコミで大人気となり、今やテレビにCMに引っ張りだこです。
過去にもサンドウィッチマンとかオードリーは、M1をきっかけにして世に出てきた印象があります。どちらも今は、テレビにCMにラジオに…欠かせない存在ですよね。
さて、今年のM1です。コロナ禍の影響を受けつつも、何と5081組のコンビが予選に挑み、決勝の舞台に残ったのは9組。決勝当日の敗者復活で選ばれる1組を加えて、計10組が決勝に勝ち進みました。
でも、今年のM1は…魔物が棲んでいました。
笑神籤(えみくじ)と呼ばれる出番順を選ぶくじのいたずらだったり、過去最高と言われた昨年度と比べられるプレッシャーだったり、いろいろな要素が重なり合ったとは思いますが…芸人さんたちの多くは本来の力を出し切れず、どのコンビも爆笑をかっさらうところまでは届いていないようでした。
ただ、今回辛くもチャンピオンになったマヂカルラブリーは、場の空気を読んで直前に急遽ネタを変更したのだそうです。これが功を奏した形になり、見事頂点に上り詰めたのです!
夢の舞台と言われるM1と言えども、一般的な劇場と同じ板の上であることには変わりません。笑いの神様が微笑む時もあれば、板の上の魔物に返り討ちに遭うこともあります。
そんな芸人さんたちの生き様を、見事に表現してくれている曲があります。ヒップホップユニットの Creepy Nuts による、その名もズバリ「板の上の魔物」という曲。
…………
誰が待っていたって居なくたって
もうヤメラレナイ ヤメラレナイ
何遍だって また此処に
離れられない 離れられないぜ
UP&DOWN 繰り返し
逃れられない 逃れられない
分かっていたって また此処に
離れられない 離れられない
この板の上には魔物が潜むぜ
屍の山掻き分けて
お気張りやすbaby陽の目浴びるまで
べしゃりブリバリエブリデイ
泣くも笑うも己次第、相方(mymen)
末路憐れも覚悟の上
お気張りやすbaby陽の目浴びるまで
べしゃりブリバリ修羅場綱渡り…
…この曲に合わせて、M1に賭ける芸人さんたちの姿を追いかけたドキュメンタリー映像を見つけました。芸人さんたちの舞台裏での様々な表情が、ヒリヒリとした曲調とともに見事に映し出されています。
この映像を作ったスタッフさんたちの、ものすごい芸人愛を感じる内容。ぜひ見てほしいです。
(すみません、リンクの貼り方わかりませんでした。検索してみてください。)
今年のM1は、残念ながらどのコンビも板の上の魔物に喰われてしまいましたが…これを糧に、来年こそは!と、すでに動き出している芸人さんたちもいると思います。
特に、実力がありながらも決定打に欠け、今年爆発し切れなかったコンビは、これから1年試行錯誤を重ねていって、再びあの舞台を目指すはずです。
来年こそは…そう、来年こそは!笑いの神様を味方につけて、私たちを大いに笑わせてほしいです!