残念ながら、今も昔も「いじめ」というものは存在します。私自身、実は加害者にも、被害者にもなったことがあります。子供ゆえの人間的な未熟さ、集団心理、家庭の問題、いじめの原因はいろいろあるかと思いますが、被害者にとっては本当に辛い毎日です。
いじめの程度にもよりますが、当然学校に行きたくなくなります。さらにいじめを受け続けていると、自己肯定感が低下し、自分というものがなくなっていきます。自分を責めてしまうこともあるかもしれません。加害者には大したことはなくとも、被害者が受けるダメージは計り知れないのです。
でも、大人になって振り返ってみると、いじめが起きているのは実に狭い世界の中でのみ…いつものコミュニティから一歩踏み出してみると、そこにもっといろいろな世界があることに気づきます。
いじめを解決するのにいちばん手っ取り早いのは、環境を変えること…つまり転校です。でも、転校せずとも、その子の世界を広げてあげるだけでも、その子の自信を取り戻すことはできます。
とある子は、中学からジュニアリーダーという団体活動に参加して、そこで活動しているうちに自分のやりたいことを見つけ、輝きを取り戻しました。
また別の子は、学区以外の学童施設を利用し、そこで友人を作ったことで自信を取り戻し、学校でもいじめに負けない自分になることができました。
狭いコミュニティの中で、いつまでも苦労する必要はないと思います。どんな方法を取るにしても、世界は広いということを伝えてあげてほしいと思います。
何はともあれ、これ以上いじめで苦しむ子が出ないことを祈るばかりです。