樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

圧倒的な、禅の世界

曹洞宗の総本山である永平寺。禅の修行をしている修行僧たちが、山深いお寺で日々修行に勤めている姿を、NHKのドキュメンタリー番組で見ました。

「雲水」と呼ばれる修行僧たちにとって、朝起きてから夜寝るまでの日常すべてが修行です。食事も修行、材料を捨てることなく、皮も種もワタさえも全てありがたくいただきます。寝るときは、紐で縛った布団の中に体を潜り込ませて、定められた姿勢で床に就きます。

永平寺がある山深い場所は、厳しい自然と共存する場所でもあります。特に冬の雪が降る時期、寒い中でも雲水たちは作務衣姿で雪掻きに精を出します。

 

修行の中心となるのは「只管打坐(しかんだざ)」と呼ばれるもの。壁に向かって座禅を組んで、ひたすら自分自身と向き合います。この只管打坐、場合によっては10時間にも及ぶそうです。己とは何なのか。なぜ修行をしているのか。ただひたすら、自分自身と対話する静かな時間が流れていきます。

雲水たちはなぜ、そこまでして自分と向き合うのでしょうか。そして、その世界に魅了されている私…なぜこんなにも圧倒的な禅の世界に惹きつけられるのでしょうか…

そこにあるのは、圧倒的な大自然と、ただただ自己と向き合っている雲水たちの姿。究極に削ぎ落とされた世界は極限であり、至高の世界です。

ただひたすら座禅を組む…その先にあるのは、心身脱落という、己と自然とが一体となった境地…私たち人間は、ただそこに生かされているに過ぎない…そんなシンプルな答えにたどり着くのかもしれません。

 

永平寺の禅の教えに感化された人たちは、外国にも多くいらっしゃいます。あのスティーブ・ジョブズも、そんな1人なのだそうですね。

世界各地で人々が集い、座禅を組み、自分自身と向き合う姿。混沌とした今の世界を生きる人たちにとって、己と対話する静かな時間は、ある意味で必要なのかもしれませんね。

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私自身も、座禅とまではいきませんが…なるべく自分と向き合う時間を持つようにしています。そうすることで、自分自身の考え方が削ぎ落とされて、シンプルになってきています。

永平寺…いつかは訪れてみたい場所です。