樹安の日々インスピレーション

日々の生活の中での気づきを、徒然なるままに

発達障がいと向き合う・その1

私には小5の娘と小2の息子がいますが、2人とも発達障がい、具体的には自閉症スペクトラムという診断を受けています。主な特性はこだわりの強さやコミュニケーションの取りづらさで、知的発達も一般の子に比べると遅れ気味です。

我が子が発達障がい、しかも自閉症と聞いた時は、目の前が真っ暗になりました。それでも様々な療育施設に通い、先生方やお友達との関わりを重ねていくことで、少しずつこだわりが外れて、言葉も出るようになり、人とのコミュニケーションも取れるようになってきました。

 

子供たちと一緒に療育施設に通っている頃…先生方は子供の個性、特性を全面的に受け入れてくれました。当時はできないことばかりの我が子、私自身も親として全く自信が持てなかったのですが、そんな私たち親子を先生方は丸ごと受け止めてくれました。

特に発達障がいなどを抱える子供たちにとっては、とことん寄り添い、その子に応じた成長を見守ることが大切なんだ…親として私自身も多くを学びました。

 

おかげさまで2人とも療育手帳(=発達が遅れた子たちが持つ手帳、施設利用等の割引制度あり)の対象外になり、いわゆるグレーゾーンと呼ばれる段階(=障がい児ではなく、普通の子との境界線上にいる段階)まで成長しました。小学校は2人とも地元の学校の支援学級に通っています。そして私自身も仕事復帰し、キリスト系保育園で事務員の仕事をしています。

 

今までは一般的な成長スケールに合わせるのではなく、その子に応じた成長のペースを見守ることが大事だと思ってきたし、そう教わってきました。ひとりひとりの「できた!」を大切にして、それを積み重ねていくのが大切なんだ、と。

しかし、特に今私が働いている保育園の様子…それぞれの年齢に応じた課題があり、それをクリアできないと先生に注意され「できない子」というレッテルを貼られてしまいます。先生方は、子供に寄り添うというよりは、保育園の課題の方に子供を寄せていくような指導をしています。

 

中にはうちの子と同じように、発達障がい気味のお子さんも何人か見受けられます。そういう子たちに対して…その子の特性に寄り添ってくれる部分も多少はありますが、やはり「できた!」よりも「できない」の方に注目がいき、できないことに対して何とかしてやらせる場面が多いような気がします。

私は事務員なので、基本的に保育には口出し無用です。でも…今まで発達障がいの子供たちと歩んできた道とは、あまりにも雰囲気が違う現場…私はカルチャーショックを受けました。

もちろん、一般的な保育園は集団保育という形をとっているので、ひとりひとりに寄り添いきれないという部分はあるし、先生方の負担を考えると仕方なかったりもするのですが…子供たちに対する先生方の基本的なスタンスが「寄り添い」というよりは「指導」で、今まで私が経験してきたものとは大きく違うのです。もし私たち親子がこの保育園に通っていたら、きっと前向きな気持ちは保てなかっただろうし、今の子供たちの成長はなかったのではないか…と思ってしまいました。

 

私は今、親としての自分の軸…子供に寄り添うことがいちばん大事なことである!という、今まで信じてきた信念が揺らぎつつあります。

社会性を身につけるには、寄り添うだけではダメで、時には指導も必要…なのかもしれませんが、優先順位としては寄り添うことの方が大事…だと思うんですけどね…幼い年齢であればなおさらです。

 

発達障がい児が日々過ごす中での現実。まだいろいろとありますが、長くなったので次回また書きたいと思います。

f:id:hattatsumamajuan:20191130012231j:image